薬膳琉花

体質や体調に合わせた
琉球薬膳

私たちのご先祖が当たり前のように実践していたことは「食はクスイムン(薬食同源)」という考え方です。これは食材の持つ効果効能を理解し「生薬」のように体に働きかける力を利用して、食べ合わせや調理方法を工夫しながら食養生に努めていたのです。 例えば、冷えがあるときはには体を温める効果の高い温熱性の生姜やネギを。体に熱がこもり、暑さを取り除きたいなら苦味のあるものを食べるなど、季節や体調に合わせた料理で健康状態の改善、維持に役立てていました。 薬膳琉花では、御膳本草に記された琉球食材を基に、新しい琉球薬膳のレシピを提案していきます。あなたに合ったタイプとレシピで楽しく健康を維持していきましょう!

  • 気 虚(ききょ)

  • 疲れやすく元気が出ない、無気力

気虚とは体に必要なエネルギーが不足している状態のことです。ストレスや過労が長期的に続くと、気の回復が遅れ慢性的に「気」が不足した状態となってしまいます。「気」が不足していると、まず現れる症状は疲労や倦怠感。消化器の機能低下やアレルギー、花粉症などを引き起こしやすくなります。朝食をしっかりととって、冷たいもの生ものは控えめにしてみましょう。
胃腸の働きを高めながら血の巡りも良くする、ひえ、きび、あわ、麦などの雑穀がおすすめです。

  • 気 滞(きたい)

  • イライラしやすく怒りっぽい

気滞タイプは、身体のエネルギーの循環が滞っている体質です。ストレスや心配事などが続くと、気のめぐりをコントロールする機能が乱れ、さまざまな症状があらわれるようになります。この状態を「気滞(きたい)」と言います。自律神経のコントロールがうまくいかず、精神的に不安定になりやすくなります。香りのある野菜や甘酸っぱい果物で心もお腹も満たしていきましょう。

  • 血 虚(けっきょ)

  • 顔が白っぽい、目眩、手足の痺れなど

血虚タイプは、血が不足している体質です。毎月、生理による出血がある女性は、男性より血が不足しがちです。とくに偏食がちだったり、食生活が単調になりやすい人は、血のもととなる栄養がとれず、血が不足しやすいといわれています。このように血が不足した状態を「血虚(けっきょ)」といいます。ドライフルーツや黒い食品、色の濃いものを多く取り入れ血を補っていきましょう。

  • 血 瘀(けつお)

  • 顔色が紫暗色、目の下のクマなど

「血」の巡りが悪く滞り、体に栄養素が巡らない状態です。ふだんはスムーズに流れている血が、何らかの原因で滞ってしまった状態です。原因はさまざまですが、若い女性にもっとも多いのは、冷えによって血行が悪くなるケースも。巡りが悪いことから、皮膚のトラブル(しみ、くま、ニキビ、肌あれなど)に悩みやすい傾向があります。また、血行が滞ることから、肩こりや関節痛、頭痛なども招きやすいといわれています。血瘀を放っておくと、子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣膿腫などの婦人科系の病気に発展することもあるので、できるだけ早めに対策を立てることが大切です。

  • 陰 虚(いんきょ)

  • 手足や頬のほてり、寝汗など

体内をめぐる「水」が足りていなく、体に潤いがない状態です。水(津液)を含め、体に必要なうるおいを表す「陰」は、加齢とともに不足しやすくなります。「陰」が不足すると、のどが渇きやすく、汗もかきやすくなります。体を潤し熱をさます働きのある水がないので、熱によるのぼせや口の渇きを感じる人も。 また皮膚に乾燥感があったり、からぜき、便秘傾向があります。

  • 陽 虚(ようきょ)

  • 夏でも身体が冷える

陽虚タイプは、身体を温める力が弱い体質です。いくら内外から体を温めてもなかなか温まらない状態です。身体の色々なところで機能低下がみられることがあります。正常な体温を保っているのは「陽」のはたらきで、寒がりで手足がいつも冷たい、下半身が冷えやすいといった症状を、陽が足りない、すなわち「陽虚(ようきょ)」といいます。体を冷やす食べ物に注意し、陽気を補う食材やスパイスを上手に使って「陽」の質を補っていきましょう。

  • 痰 湿(たんしつ)

  • むくみ、水太り、疲れやすい

体の中の水分が過剰になっている状態です。体に必要なうるおいを補う水。しかし、水の巡りが滞り淀んで濁ったものや、余剰な水分になった状態を「湿」といいます。湿が冷やされて固まり、循環が悪くなったものを「痰」といいます。余分な老廃物がたまっている「痰湿」タイプにオススメな水分代謝をよくする食材を使って巡りを良くしていきましょう。

  • 湿 熱(しつねつ)

  • 暑がり、汗っかき、吹き出物

体内にたまり過ぎた不要な「水」と「熱」が、気や血のめぐりを邪魔して、様々な不調が起こっている状態です。湿熱タイプの人は、基本的に食べすぎ・飲みすぎなので、体内には余計なものが沢山あリます。冬でも暑く感じ、身体が重だるくなる方もいます。食事内容の見直しと共に、体内に溜まった水分や熱を取り除くことが大切です。

琉球の食材

古来琉球では、大地や海からの恵である食材を「クスイムン(食は薬)」として、日常的に家族の健康へと役立てていました。

薬膳茶材

琉球薬膳茶には沖縄ならではの野草や乾燥させた野菜の皮をブレンドすることで漢方に近い効果を発揮します。

  • 美味しさアップの秘訣は直火が活きる調理器具

    琉花でお勧めする調理器具は直火が基本です。レンジはなるべく使わずに蒸し器や土鍋を使います。 お手入れが大変なイメージがありますが、コツを掴めばどちらも手放せないアイテムになりますよ!

  • 土 鍋

    扱いが難しそうと思われがちですが、コツを抑えればとても便利なアイテムです。ご飯も炊飯器で炊くよりもスピーディで、ふっくら美味しい仕上がりに。保温性にも優れているので、余熱調理も可能です。

  • 蒸し器

    蒸し器は、高温の水蒸気を当て、食品を外側からじっくりと加熱していきます。高すぎない温度でゆるやかに加熱でき食材の持ち味を活かし、ふっくら仕上がります。蒸気が適度に抜けるため、食品の上に水滴が落ちにくいです。